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【高校化学】化学量①「相対質量と原子量」【理論化学/化学基礎#9】


受験メモ山本

23分35秒

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説明

ついに化学基礎後半戦。まずは計算の準備から。
①相対質量と原子量(イマココ)
②物質量(準備中)
③濃度(準備中)
④化学反応式の導入(準備中)

【Keyword】
相対質量、原子量、分子量、式量

【なぜ炭素12が基準に?】
原子という概念が生まれたとき、原子を区別する方法は「質量」でした。もちろん原子の構造なんてわかっていない時代ですから、原子を区別する方法と言ったら重さくらいですよね。ということでドルトンが原子説を唱えたとき、当時最も軽い原子だった水素を1として原子量が定義されました。

かなり大雑把に話しますが、当時の原子量の測り方はこんな感じ。まずは2gの水素を燃やして発生するH2Oの重さを測ります。すると18gだったとしましょう。18gのうち2gは水素だったはずだから、残りの16gが酸素Oの原子量だとわかる、という感じ。
(相当噛み砕いていますが。)

ただ水素を1とするにはいろいろ問題がありました。一つは誤差が大きくなってしまうこと。一番軽い水素を基準にしてしまうと、誤差の影響が大きくなります。例えば水素を測ったときの誤差がδだとすると、水素の原子量は1±δ、酸素の原子量は16(1±δ)=16±16δとなります。このように大きい原子量になるほど誤差が大きくなります。

そして他には測定に関する問題もあります。さっき言ったように、この時代の原子量の測り方と言ったら水素を含む化合物を使う必要があります。例えば酸素はほとんど全ての原子と化合物を作れるので、酸素が基準だった方が考えやすいのになー…、みたいなこともありました。

ということで原子量の基準は酸素に置き換えられます。だから化学史の長い間は、酸素を基準に考えられていったんです。

しかし酸素が基準の時代にも暗雲が。「同位体の発見」です。より正確には、今まで基準と考えてきた酸素は酸素16、酸素17、酸素18が混ざっていたんです。これはめちゃくちゃ面倒くさい。なぜかというと、既にいろんな元素は酸素を基準に測定されていたので、基準を酸素16などに置き換えたりしてしまうと訂正が面倒くさすぎです。でも基準が曖昧なのも許せいない。

そんなごちゃごちゃの結果なんと「物理学者は酸素16を基準に、化学者は酸素を基準にする」という意味不明な状況になります。ちなみに前者を物理学原子量、後者を化学的原子量と言いますが、動画内では前者を相対質量、後者を原子量と呼んでいます。

何はともあれカオスな時代が数十年過ぎてふと冷静になります。
「てか基準、酸素じゃなくてもよくね?」
ということで提案されたのが炭素12。当時かなりの精度で質量がわかっていた炭素12を物理学者が提案。酸素→酸素16に基準を変えたときは今までの文献の値を訂正する必要があるレベルで値が変わってしまいましたが、酸素→炭素12の変更では0.003%しか変わらない。ということで、物理学者も化学者も炭素12を基準に考えることになります。

もちろん、現代の測定技術がある環境であれば、炭素12以外でも基準にはなるかもしれません。しかしそもそも昔は発見されていた元素も少ないし、測定方法も限られていたことなどもあり、歴史の経緯で炭素12が基準になっているということですね。




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